コラム

スポットクーラー検討中の方必見!工場以外での活躍シーンや利用のメリットを解説

スポットクーラーとは、取り込んだ空気を冷却してから再び排出する仕組みを持つ空調機器です。簡易的に移動可能なエアコンとしてイメージすると分かりやすいでしょう。

特定のエリアを効率よく冷やせる点や、設置が手軽な点から、さまざまな場所で導入されています。とくに利用されている場所は企業の工場で、快適な環境にするために活用されています。また、既存の空調設備が故障した時などにもすぐに利用できるので、とても利便性が高いと言えるでしょう。

本記事では、スポットクーラーの動作原理や利点・課題、活躍するシチュエーションなどについて解説します。

スポットクーラーとは

スポットクーラーとは、空気を取り込んで冷却し、外部に排出する機能を持つ空調機器です。一般的なエアコンと同様にヒートポンプ技術を使用して冷たい空気を生み出し、熱せられた空気を排気口から放出する仕組みになっています。

多くの機種は足元にキャスターがついており、移動可能なエアコンとして考えると、その仕組みがイメージしやすいでしょう。使いたい場所に移動させて電源コードを差し込むだけで利用できるので、大掛かりな取り付け工事は必要ありません。特に広い空間を持つ工場などでは業務用が主に利用されています。

通常のエアコンと異なるのは、排熱の仕組みです。スポットクーラーは冷風が出る吹き出し口と、熱風を排出する排気口が本体に備わっています。冷房を使用した際は、吹き出し口から冷たい風が出て、排気口から熱い風が出るようになっています。そのため、熱い風によって室内の空気が少し暑くなってしまうことがあります。

空間全体が涼しいというよりは、「冷たい風が当たる場所だけ涼しくなる」といった特性を持つのが特徴的です。

工場でスポットクーラーを使うメリット

スポットクーラーはその利便性からさまざまなケースで利用されています。とくに多いのが工場です。工場は室内温度の調整が難しく、暑さによる体調不良にも注意しなければいけないため利用されることが多いです。ここからは工場で使うメリットについて解説します。

  • 設置がかんたん
  • 定めたエリアを効率的に涼しくできる
  • 手間のかからないメンテナンス
設置がかんたん

電源コードを差し込むだけで利用できるため、設置がかんたんです。

工場やオフィスなどでよく見る天井埋込型の業務用エアコンは、電源工事や配管工事、冷媒ガスのチャージなど複雑な工事が必要となります。そのため、多大な時間的コスト・費用的コストがかかります。

スポットクーラーはこうした煩雑な工事を必要とせず、電源さえあればすぐに利用可能です。急に暑くなった時の冷房や、既存の空調設備が故障した時などにも手軽に活用できるでしょう。

定めたエリアを効率的に涼しくできる

多くの機種は足元にキャスターがついており、移動可能なものがほとんどです。そのため涼しくしたい特定のエリア近くに移動させて稼働することで、定めたエリアを効率的に涼しくできます。部屋全体の温度を下げるよりも短時間で冷却できるため、「すぐに冷やしたい」という状況に適しています。

また、本体がコンパクトな機種が多いので「本当に効くの?」と思われがちですが、業務用で利用されることを想定しているので、高い冷房能力を備えています。暑くなりやすい場所でも、効率的に涼しくできるのでおすすめです。

手間のかからないメンテナンス

スポットクーラーは、複雑なメンテナンスを必要としません。フィルターの点検や簡単な清掃だけで使い続けられるので、わざわざ業者に依頼しなくても自分でメンテナンスがおこなえます。

また、機種によっては暖房が使えるものもあるので、きちんとメンテナンスをおこなうことで一年を通して利用できるでしょう。

スポットクーラーの欠点

多くのメリットがある一方で、いくつかデメリットもあります。両方を把握したうえで、利用を検討してみるとよいでしょう。デメリットは以下の通りです。

  • 広範囲の冷却には不向き
  • 排熱処理が必要
  • 稼働音が大きめ
広範囲の冷却には不向き

スポットクーラーは特定のエリアを効率的に涼しくすることに長けており、広範囲を均等に涼しくするには不向きです。広い範囲をまんべんなく冷やそうとしても、風が散らばってしまってなかなか涼しくならないのです。

そのため利用する場合は、人が多く集まるエリアやとくに涼しくしたいエリアを限定して活用することで、効率的に涼しさを得ることができるでしょう。

排熱処理が必要

先ほども触れたように、本体には風の吹き出し口と排気口がついています。冷房を使用した際は、吹き出し口から冷たい風が出て、排気口から熱い風が出るようになっています。

この排気熱をそのまま室内に放置すると、室温が上がってしまい、快適さが損なわれる恐れがあります。冷風で涼しさを得ても、排熱が原因で効果が半減してしまうため、適切な排熱処理が欠かせません。

排気熱の処理は、室外へのダクトを取り付けることで対処可能です。手間がかかってはしまいますが、効率的に涼しくするためにも取り付けるのがおすすめです。

稼働音が大きめ

機種によっては稼働音が大きめなこともあります。スポットクーラーの音の動作音は、最大で60〜70dB(デシベル)程度になるものもあり、これは一般的な掃除機の運転音と同程度の大きさです。

ただし、60〜70dBの音量は、多くの機械が稼働している工場や工具を使っている音が鳴り響いている作業場の音に比べればそれほど大きな数値ではありません。そのため、多くの現場では稼働音が問題になることは少ないと考えられます。

スポットクーラーが活躍するシチュエーション

ここまでは企業の工場での利用について紹介してきましたが、以下のようなシチュエーションで活躍しています。

  • イベント会場や倉庫内の冷房対策
  • 学校や体育館での空調設備としての利用
  • 屋外作業の暑さ対策

イベント会場や倉庫内の冷房対策

イベント会場や倉庫といった広い空間では、移動可能なスポットクーラーが非常に役立ちます。とくに涼しくしたいエリアを定めて、そのエリアの近くに設置することで効果的に涼しくできます。

またイベント会場や倉庫は、人が多く集まりやすかったり、密閉された空間であったりすることから、室温が上がりやすい空間になってしまいます。そんな時でもうまく活用することで、快適な環境を作ることが可能です。

学校や体育館での空調設備としての利用

学校や体育館は風通しが良い場所が多いものの、気温は季節や天候の影響を大きく受けます。とくに夏の時期は、猛暑日や梅雨の影響で危険な暑さになることもあるでしょう。

そんな環境でも、スポットクーラーを導入することで、快適な温度にできたり、体育館におくことで体育の授業に集中して取り組める環境をつくれたりなど、さまざまなメリットがあります。

屋外作業の暑さ対策

屋外作業の暑さ対策にも利用可能です。

夏の外での作業は熱中症を引き起こすリスクがあります。作業する場所に向けて冷風を送ることで、暑さを和らげて作業することができるでしょう。

ただし、雨のような天候が悪い場合は利用できないので注意が必要です。

まとめ

スポットクーラーは、空気を取り込んで冷やし、冷風を外に送り出す仕組みで、多彩な場所で役立っています。便利な機能を備えている機種も多く、目的や用途に合わせて選ぶのがおすすめです。快適な環境づくりをサポートする設備として、利用をぜひ検討してみてください。